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自称ダンディ文豪(自称)
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これは、冬になるとたくさんたくさん雪の降る町のお話です。
****************** 「サンタクロースなんているわけないよ!」 お友達のジュンペイくんは、ほっぺを真っ赤にしてそう言いました。口からは真っ白い息が出ていて、まるで怪獣のようです。ゆいちゃんも負けずに口を大きく開けて、怪獣のように白い息を吐きました。がおー。 「なにやってるんだ!バカみたい。」 「バカって言うほうがバカだもん。」 「何言ってるんだ。サンタを信じているほうがバカだよ。そんなのいないに決まっているじゃないか。」 「いるんだもん。お母さんが言ってたよ。サンタさんはクリスマスになるとやってきてプレゼントをくれるんだって・・・」 陽に照らされて少しだけ溶けたのでしょうか、木の枝に積もった雪がドサっと大きな音を立てて落ちました。ドサッ!あんまり大きな音だったので、二人は着ぶくれた肩をビクっと震わせました。恐るおそる振り向いたジュンペイくんの頭に、雪のかけらがふわっと降りかかりました。 「びっくりしたね・・・」 「う・・・うん・・・。とっ、とにかくサンタなんて、いないんだからな!」 ジュンペイくんは、今度は汽車のように鼻から白い息を吐くと、ぷいっと向こうをむいて走って行ってしまいました。ゆいちゃんはいつもなら一緒に怪獣のまねをするジュンペイくんが、何でそんなに怒っているのかわかりませんでした。へんなジュンペイくん。仕方なくユイちゃんは一人で怪獣のまねをしました。がおー。 お家に帰ってから、ゆいちゃんはサンタさんのことより、いつも仲良しのジュンペイ君があんなに怒ったことのほうが気になっていたのでした。 「ゆいちゃん、何か元気ないね。」 お仕事から帰ってきたお父さんにそう言われたのは、ジュンペイくんのことを考えていたからでしょう。なんであんなにおこったのかなぁ・・・お布団のなかに入ってからも、ゆいちゃんはそのことばかり考えて、いつもならすぐ寝ちゃうのに、今日はなかなか眠れませんでした。窓の外は月の明かりと雪の白さで、とても明るい夜でした。そのうち、ゆいちゃんは思いつきました。 「そうだ!明日、おじいさんに聞いてみよう。」 ゆいちゃんはそのことを思いつくと、すぐにすやすやと寝息を立てはじめました。 ****************** ゆいちゃんは次の日、おじいさんの家に行きました。昨日の夜はとても冷え込んだので、歩くと長靴の底がキュッキュと音をたてます。とても良いお天気なので今日も息が白くなります。がおー。 ゆいちゃんがおじいさんと言っていたのは、お母さんたちがタカハタのおじさんと呼んでいるおじいさんです。おじいさんはゆいちゃんのお家から、少し山のほうに入った所に一人で住んでいました。いつも眉をしかめておこったような顔をしているので、近所のみんなは近寄らないようにしていました。でも、ゆいちゃんは前からタカハタのおじいさんは、もしかしたらサンタクロースじゃないかなって思っていました。でもそのことはお母さんにも話したことはありません。だっておじいさん、本当に恐い顔しているんだもの。 おじいさんのお家の屋根には雪がたくさん積もっていて、玄関がまるでほら穴のようでした。ゆいちゃんはお家の前で立ち止まりました。玄関のわきに、大きなシベリアンハスキーがお座りをしてゆいちゃんを見ていたからです。青い目がゆいちゃんを見つめています。ゆいちゃんは口を大きく開けました。お前なんかに負けるもんか。がおー。 「ジョン、誰にほえているんだ?」 洞穴の中から声がします。犬はその声に振り返り、うれしそうにしっぽを振りました。犬はジョンという名前なんだ。雪に埋もれた玄関から、眉のあいだにしわをゆせたタカハタのおじいさんが現れました。ゆいちゃんは勇気を出して、大きな声でおじいさんに聞きました。 「おじいさん!おじいさんは、本当はサンタクロースなんでしょ!」 ****************** おじいさんは恐い顔のまま、ゆいちゃんの話をだまって聞いていました。ゆいちゃんは一生懸命、ジュンペイくんの話をおじいさんに話しました。ゆいちゃんの話が終わると、おじいさんは恐い顔のまま言いました。 「わかった。じゃぁ、ジュンペイとやらを、ここにつれてくるんだ。」 「おじいさんがジュンペイくんにお話してくれるの?」 「ああ、ここにくればわかる。」 やったー!ゆいちゃんは来るときとは比べ物にならないほどのいきおいで、ジュンペイくんを呼びに行きました。 「なんだよ・・・サンタがいるなんて、まだそんなこと言っているのかよ・・・」 ゆいちゃんに手を引っ張られながら、ずっとジュンペイくんは言っていました。本当は見てみたいくせに。ゆいちゃんはこれからおこることが楽しみでなりません。キュッキュ。二人の足音が雪道に響きます。すぐおじいさんのお家についてしまいました。 「おじいさぁん!ジュンペイくん、つれてきたよ!」 ゆいちゃんの声が響きます。でもおじいさんは玄関から出てきません。 「ほら、なんにもないじゃないか。」 ジュンペイくんが意地悪そうな声で言います。ゆいちゃんは少し心配になってきました。 「おお、こっちだ。こっち。」 声のするほうに二人が顔を向けると、なんとそこにはサンタクロースの姿があります。 「あ、サンタさんだ!サンタさんだ!」 ゆいちゃんは思わず声を上げました。 サンタさんは雪で埋もれたおじいさんの家の屋根にいました。 真っ赤なコートと、立派な口ひげと、大きな袋を下げたサンタさん。 でも、なんか様子が変です。 「なんか変じゃないか?」 ジュンペイくんがゆいちゃんにコソッと言います。 サンタさんは、なんか無理をして屋根に上ろうとしているようなのです。 そのうち、手を滑らせてしまいました。 「あっ!」 二人が声を上げたのと同時に、サンタさんは二人の目の前にドスンと落ちてしまいました。 「あ、痛たたたた・・・」 サンタさんは腰をさすりながら、雪まみれの顔で二人を見上げます。 その顔はどう見てもさっきゆいちゃんが話をした、恐い顔のタカハタのおじいさんです。 口ひげのように見えたのは付けひげで、それもはじっこがはがれかけています。 「なんだ、タカハタのじいさんじゃないか・・・」 「違うよ。ほんもののサンタさんだって。」 「だってサンタだったらトナカイだって持っているはずだろ。いないじゃないか。」 「トナカイだったら、おるぞ。」 サンタさんはそう言うと、ヒュッと指笛を鳴らしました。すると、山のほうから鈴を鳴らして、何かが駆け寄ってくるのが見えました。 でも、なんか小さい。 近づいてきたトナカイは、ジョンでした。 頭には角のようなものが見えましたが、よく見るとそれは毛糸の手袋に綿をつめたもので、ジョンが一生懸命走ったもんだから、片方取れかかっています。 「犬じゃないか・・・」 ジョンはすまなそうな顔も見せず、シッポを振ってます。 「やっぱり、サンタなんかいないんじゃないか!嘘つき!」 ジュンペイくんは来た道を走って帰っていきました。 「サンタさん、大丈夫・・・?」 ゆいちゃんは少し気まずそうに、おじいさんに声をかけました。 サンタさんの格好をしたおじいさんも、すまなそうな顔で腰をさすっています。 何も気にせずシッポを振っているのは、ジョンだけです。 「失敗、しっぱい・・・すまなかったのぅ。」 「ううん、いいの。」 「ゆいちゃんは、どうしてジュンペイくんが怒ったのかがきになるんだろ?」 やっと立ち上がったおじいさんは、ジョンの角をはずしてあげながら言いました。 「ジュンペイくんは小さい頃お父さんが死んでしまって、お母さんだけしかしないんだよ。お母さんは一人でジュンペイくんを育てるために一生懸命でな。クリスマスもなかなか一緒にいてあげられないんじゃよ。だから寂しい気持ちから、ついサンタはいないなんていってしまうんだな。」 「そうだったんだ。」 「だから、ゆいちゃんはジュンペイくんがサンタはいないなんて言っても、仲良くしてあげるんだよ。」 「おじいさん。おじいさんは本当は優しい人なんだね。」ゆいちゃんは言いました。 「違うよ。」 はじめておじいさんは笑顔で言いました。 「優しさを感じるのは、感じる人の心に優しさがあるからだよ。 ゆいちゃんの心が優しいから、人の優しさを感じることができるんだよ。」 おじいさんはとても大きくて厚い手のひらで、ゆいちゃんの頭を優しくなでました。 その手のひらはとても温かくて、 ゆいちゃんは、おじいさんはいつも恐い顔をしているけれども 本当はサンタさんに違いないと思っていました。 ****************** 窓の外は、今日も月明かりと雪の白さで、とても明るい夜です。 いつもなら、すぐに眠れるのにな。 何か気になって、ジュンペイくんはベッドを抜け出して、カーテンをそっと開けて外を見ました。 ガラスがすっかり凍り付き、たくさんのバラが咲いているように見えます。 ジュンペイくんは、そっと怪獣のまねをして、窓ガラスに息を吹きかけてみました。がおー。 すると、どこからか鈴の音が聞こえてくるような気がしました。 その音は小さなちいさな音でしたが だんだんジュンペイくんのお家に近づいてきて とうとう窓の前まで近づいてきました。 やがて鈴の音は止まります。 ジュンペイくんは目を丸めます。 口も怪獣のまねをしたときのままです。 「ジュンペイくん、メリークリスマス!」 窓も開けていないのに、その声はジュンペイくんの耳にはっきりと聞こえます。 まばたきも忘れたジュンペイくんの目には 外にとまったトナカイのそりと トナカイが吐き出す白い息と 大きな荷物を背負ったサンタクロースが見えています。 「世界中の子供たちのところへ届けていたから、ついつい遅れてしまったよ。 すまなかったな。 これがジュンペイくんへのプレゼントだ。」 サンタクロースは大きな袋から、リボンのついたプレゼントをジュンペイくんに手渡しました。 ジュンペイくんは声を出すことも忘れてサンタクロースを見ていました。 でも、ジュンペイくんは見逃しませんでした。 そりに乗り込むときに、サンタクロースが腰をさすっていたことを そして、 サンタクロースのくちひげがとれかかっていたことを サンタクロースを乗せたそりは鈴の音を響かせ ゆっくりと道をすべっていきました。 やがて天空にかかった大きな月に その影を浮かび上がらせました。 そりの後ろを、頭にへんな角をつけた犬の影が、一生懸命追いかけていきました。 ****************** 「ジュンペイくん!」 次の日、ゆいちゃんはとびっきり大きな声でジュンペイくんの名を呼びました。 ジュンペイくんは振り返ると、にっこり笑って怪獣のまねをしました。がおー。 ゆいちゃんもそろってまねします。がおー。 二人の白い息が 陽の光を浴びて、いつまでも空にただよっていました。 ( ¨)ノ―――――――◎゛ テンプレ ( ¨)ノ―――――――◎゛ クリスマス童話企画 ジングル・ベル・ノベルパーティ 作品は特に童話でなくてもかまいません 短歌でも、絵でも、なんでもOK 当然ですが、デート優先でOK 星降るクリスマスとなるか 雪のホワイトクリスマスとなるか いずれにせよ 心温まるものがたりを あなたのブログでアップしてください 企画元: ダーサの遊園地 めめんD ( http://ders.exblog.jp/ ) トラバ先: [ http://Ders.exblog.jp/tb/7833907 ] ( ¨)ノ―――――――◎゛ テンプレ ( ¨)ノ―――――――◎゛ 【クリスマス童話企画】 ジングル・ベル・ノベルパーティ
by e_vans
| 2007-12-21 10:31
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