ご訪問者 各位
自称ダンディ文豪(自称)
作画:クレマム画伯 【5文豪ズ!!!】 ●黒文豪の妄言 ❤桃文豪の艶言 ★蒼文豪の爽言 ☆このサイトを楽しむために↓ 初心者向けガイドブック CMCMCMCMCMCM ↓プチ整形は ★★★★★★★★★★★ 自称文豪っぽい記事はこち らにオープンしてみました。 バーナー製作協力:ぇむに様 こちらはちとしかめ顔して 書いてます。 ★★★★★★★★★★★ ■■■■■■■■■■■■■■■ リンク、コメントは大歓迎。 メール等もらおうものなら、 感謝の舞を舞うことでしょう。 ■■■■■■■■■■■■■■■ ダンディズムを追求するevansへメールはいかが? メール上等!!! ■■■■■■■■■■■■■■■ カテゴリ
全体 或るダンディ阿呆の苦悩 ブラ文豪 諸国漫遊記 大切な事は虎場で学んだ 朝がくるまで君を探している 妄想列島日本 名も無き物語 「笑ッカー」の野望 江場中祭 My Favorite Music 言語道断 折々の詩 私的夢十夜 素敵にジャパネスク Christmas CountDown 天衣無縫 心理学 番長放浪記 マグロ祭り 私的県民SHOW 最新のトラックバック
以前の記事
2012年 11月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 04月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2005年 03月 2005年 02月 2005年 01月 2004年 12月 2004年 11月 2004年 10月 2004年 09月 2004年 08月 2004年 07月 ブログパーツ
ライフログ
私は彼に似てるらしい
その他のジャンル
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
snowdrop99さまからのお題です。
※あぶ先生の素晴らしい作品を読んで、真っ向勝負は無理と判断しました。 プロット完全無視で、単語のイメージだけで書いてみました。snowdrop99さまごめんなさい。 あと、あの方のことと本編はまったく関係ありません。 彼女が”氷姫”になったと聞いたのは、冷たい雨が降る ある日曜日のことだった。 氷姫?僕は彼女の言葉を聞き逃していた。 そう 氷姫 彼女は繰り返した。 僕は その時まで”氷姫”という言葉があることさえ知らなかった。 「氷姫って何?」 僕は小学生が母親に物を尋ねるように 彼女に聞いてみた。 氷姫は氷姫 そう、彼女は答えた。 答えになってないじゃないか、という言葉を飲み込んで僕は”氷姫”になったという彼女を観察する。 外見上何も変わったところは見つからない。いつもと変わらぬ彼女のままだ。少なくとも僕にはそう思えた。 「氷姫になるとどうなるの?」 ああ、僕はどうしてこういう時はまともな質問ができないのだろう。 でも、こういう状況で「まともな質問」なんてあるのだろうか? わからない 私にもどうなるかわからない でも たぶん この町に雪が降り積もり そして それが消える頃 私は あなたの前から 姿を消すの それは僕のことが嫌いになったという事なのか?僕はその言葉も飲み込む。飲み込んだ言葉が僕の中に降り積もっていく。 色々な疑問が頭の中を駆け巡っていたけれど、まともな質問はできそうにない。 それが 氷姫になるということ 彼女はただそれだけを言ってその会話を終わらせた。おそらく半強制的に。 そして おそらく永久に。 次の日、僕が部屋でテレビのサッカーを見ていたら、その老人は訪ねてきた。 「どなたですか?」 「わしは”氷姫”の研究者だ。」 そう言うと老人は当然のように僕の部屋に上がりこんだ。 僕はやむなく後半に突入したテレビを消し、老人にコーヒーをすすめた。 「あの・・・・”氷姫”は病気なのですか?」 これでもかというほどカップに砂糖を溶かし込んでいる老人に、僕は尋ねた。 「病気ではない。」 老人は丁寧に砂糖の撹拌をしながら答える。 「君の恋人が”氷姫”になったのは残念だが、必然だったといわざるを得ない。 ”氷姫”になった人間はやがて心臓から氷りはじめていき、やがて全身が氷に覆われる。 そして春になる頃、氷が融けるのと同時に"氷姫”は水となって消え去る。」 「どうして彼女が・・・・」 僕はずっと言えなかった疑問を老人に尋ねた。老人はまだスプーンをまわしている。 「”氷姫”になった人間は皆その質問をする。『なぜ?』『何が悪かったの?』『どうして私が?』と。 しかし、世界のすべてに原因があるというのは、人間の傲慢さではないかね? ワシは人間は本来”氷姫”になるものだと思っておる。誰しも心臓が氷る可能性は持っているのだ。」 老人は、そこではじめてコーヒーに口をつけた。ゆっくり、しかし一口で おそろしく沢山の砂糖が入ったコーヒーを飲み干した。 「”氷姫”になった人間を元通りにする方法はない。今も、そしてこれからもないだろう。 氷った心臓を融かす方法もないし、融けた瞬間、君の彼女はこの世から消えてなくなる。 大変残念だが、彼女を元通りにする方法は何一つない。そして彼女を救う方法も、何一つない。」 コーヒーカップの底に残った最後の一滴を飲み干して、老人は部屋を出て行った。 それから僕は”氷姫”について調べてみた。 驚いたことに、”氷姫”について書いた本は、探せばそこそこに見つかった。 世の中には僕が知らない事がたくさんあるように思え、なんだか絶望的な気持ちになった。 更に絶望的なことに、どの本を読んでも老人教授と同じ事しか書いていなかった。 『心臓から氷に覆われていき、やがて全身が氷りつく。氷が融けると消えてなくなる。 氷姫になった人間を元に戻すことはできない。また、救うこともできない。』 それから僕は、できるだけ彼女を見るようになった。 それが何のためかはわからないし、それで何かが変わるとも思えなかった。 僕は彼女が消え去る前に、その姿を目に焼き付けて起きたかったのだと思う。 とはいっても”氷姫”になった人は、なっていない人と比べてどこも変わらない。 ただ、瞳が少しだけ青みがかった光を発するようになるだけ。 西洋人の青い目とは違う。 まるで雪渓の影が青く見えるのと同じような光が瞳の中に輝く。 彼女にそのことを伝えると、彼女はその時だけわずかに微笑んだ。 雪はね 本当は 青い色をしているのよ 僕はそんな目の彼女を、とても美しいと思った。 その美しい瞳の氷を見つめていて、僕は思っていた。 明日、あの老人を訪ねてみよう。そしてお願いしてみよう。 叶うのかはわからないし、正しいことなのかどうかはわからない。 でも 今の僕には それしかできない お願いします 僕の心臓を 彼女と同じように 氷らせてください ------------------------------------------- ああ、もう少し長く書きたいです。むぅ。 でも長くなるとコメントが減るので・・・・ いえ、それは作品の長さの問題ではありません。(←天の声)
by e_vans
| 2004-12-17 20:02
| 江場中祭
|
ファン申請 |
||