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自称ダンディ文豪(自称)
作画:クレマム画伯 【5文豪ズ!!!】 ●黒文豪の妄言 ❤桃文豪の艶言 ★蒼文豪の爽言 ☆このサイトを楽しむために↓ 初心者向けガイドブック CMCMCMCMCMCM ↓プチ整形は ★★★★★★★★★★★ 自称文豪っぽい記事はこち らにオープンしてみました。 バーナー製作協力:ぇむに様 こちらはちとしかめ顔して 書いてます。 ★★★★★★★★★★★ ■■■■■■■■■■■■■■■ リンク、コメントは大歓迎。 メール等もらおうものなら、 感謝の舞を舞うことでしょう。 ■■■■■■■■■■■■■■■ ダンディズムを追求するevansへメールはいかが? メール上等!!! ■■■■■■■■■■■■■■■ カテゴリ
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私は彼に似てるらしい
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R_76さまからのお題です。
※これはしばさんの作品と対になっています。 元プロットはコチラです。「大公開時代。」 「まったくとんだ写真を取られちまったもんだ!」 彼は写真週刊誌を事務所の机の上に無造作に放り投げた。 それが彼なりの怒りの感情表現なのかもしれない。 ちょうど開いているページには、人気急上昇中の新人女優のスクープ写真が大々的に掲載されている。 写真は彼女が帽子を目深にかぶり、あるミュージシャンのマンションに入る瞬間を映し出している。 『熱愛発覚』という見出しが書いてあるが、熱愛かどうかは誰が判断するのだろう? 「すいません、私の管理が行き届かなかったばっかりに・・・」 「ゴメンで済めば警察は要らないんだよ!売り出し中の女優なんて商品なんだよ!商品! スキャンダルの一つもあったら商品価値は暴落なんだ!コイツを売り出すために会社がいくらかけたかわかっているのか!」 「すいません、すいません・・・」 必死に頭を下げ続けているのは私のマネージャー・和田さん。 仕事ができるというタイプではなし、どこか頼りないけれど人がよくって憎めない感じ。 私はマネージャーの隣に突っ立って、彼に向かって怒鳴り声を上げているプロダクションの社長を眺めている。 怒るんだったら私に怒れば良いのに・・・ 私は駆け出しの女優。でも本当言うと”芸能人”って言ったほうがいいのかもしれない。 テレビの中で美しく輝く演技を見せる女優にあこがれてこの世界にはいったのだけれども、 私に要求されているものは演技ではなかったみたい。 駆け出しなのだから仕方ないとも思っているけど・・・ ワタシガ ヤリタイノハ コンナコトジャナイ いつの頃からか、そんな声が聞こえてくるようになってきた。 その声が聞こえてきた頃から、事務所の売り込みの効果で人気が少しずつ出始めてきた。 「ようやく化粧品会社のCMも決まって、これからだって時に!」 「すいません、これから記者会見ですので・・・」 「いいか、この記者会見が勝負だ。ここでシラを突き通せばこの局面は乗り切れる。 何を聞かれても『知りません。彼とはお友達です。』って言い切るんだ!」 ワタシガ ヤリタイノハ コンナコトジャナイ 「でも、社長・・・」 「いいか、よく聞け!どうせリポーターの奴らはお前の考えなんて聞こうなんてこれっぽちも思っていない。 女優に必要なのはイメージだけだ。恋愛やスキャンダルはイメージを落とすための材料に過ぎん。」 「すいません、社長。私からもよく言い聞かせておきますので・・・」 「いいか!絶対シラを突き通すんだぞ!」 マネージャーは私を一刻も早くその場を立ち去らせるように背中を押した。 廊下に出ても社長の怒鳴り声が聞こえてきた。 私は大きくため息をつく。隣を見ると和田さんもため息をついていた。 「ごめんなさい。私のために和田さんがあんなに怒られて・・・」 「いや、いいんだよ。」 和田さんは頼りなさげな笑顔を私に見せる。 「でも、私の勝手な行動であんなに叱られちゃって・・・」 「いや、本当にいいんだよ。」 記者会見会場に向かう途中、廊下の隅にある自動販売機の前で和田さんは立ち止まる。 「ホットでよかったよね?」 「あ、ハイ・・・」 急がなくてもよかったのかしら?和田さんは私に向かって缶コーヒーを投げる。 「いいよ。レポーターなんて待たせておけば。」 和田さんは長いすに腰を下ろして話し始めた。 「社長も君に嘘を言って欲しいと思っているわけじゃない。社長は社長なりに女優としての君に期待しているんだ。 でも、なんていうのかな・・・?僕は最近、よく思うようになってきたんだ。僕のしたかったことは何だったんだろうって。」 私はあっと声を上げそうになった。 「疲れはてて家に帰ると、寝るだけの毎日だろう?よく夢を見るんだよね。 夢の中でだけ僕はいろいろな束縛から解放される。夢だけが僕の世界だ。 その夢の中で『 ボクガ ヤリタイノハ コンナコトジャナイ 』って声が聞こえるんだ。何回も何回もね。 僕はきっとやりたいと思ってない事をやっているような気がするんだ。」 その声が聞こえていたのは、私だけじゃなかったんだ。 「もちろん、やりたいことだけやっているわけには行かない。そんな事はわかっているよ。 でもさ・・・君にはやりたいようにやって欲しいな、なんて思ったんだよ。」 和田さんはまた頼りない笑顔で微笑んだ。 けれど私はその笑顔を、すごく心強く思ったの。 カメラのフラッシュが私に向かって一斉にたかれる。 私が席に着くのも待ちかねてレポーターから一斉に質問が飛ぶ。 「・・・さんとは、どういうご関係なのですか!?」 「お付き合いされているのですか!?」 記者の後ろでは、心配でついてきた社長が腕組みをしてたっている。 「お付き合い?ええ、しています。彼は大事な人です」 フラッシュが一斉にたかれ、驚いたレポーターたちが一瞬あっけに取られたように黙りこくった。 会場の後ろから社長が顔色を変えてこっちに向かうのが見える。 それを和田さんが必死で押さえている。ちらっとこちらを見て、微かに頼りない笑顔を浮かべた。 さっ、気合を入れよう! 私は、 世界の誰かに向け、 精一杯の笑顔を見せた。
by e_vans
| 2004-12-13 21:49
| 江場中祭
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